オーディブル(Audible)は、老眼で本が読みにくくなった人でも、再生中は画面を見続けずに続きを楽しめます。最初の設定を家族が手伝えば、そのあとは再生ボタン1つ、またはスマートスピーカーへの一言で聴けます。
この記事は、スマホが苦手な親に聴く読書を勧めたい家族に向けて書きました。ご本人が読んでも同じ手順で進められます。
老眼で本が読みにくいとき、聴く読書は何が楽になるのか
字を追わなくてよい。それがいちばん大きな違いです。
紙の本は、文庫の細かい字や行間が負担になります。電子書籍でも、画面を見続けること自体がつらい日があります。オーディブルはナレーターが読み上げた音声を聴く仕組みなので、登録や本選びのときは画面を使いますが、再生が始まれば画面を見続ける必要はありません。
朝の洗濯物を干しながら、昼寝の前に横になりながら。手と目が別のことで塞がっていても、続きが進みます。
ただし、向いていない面もあります。パラパラとめくって好きな箇所へ飛ぶ、挿絵や図を見る、といった使い方は紙や電子書籍のほうが得意です。聴く読書は「流れに沿って物語や話を聴く」ことに向いています。
なお、この記事は健康や認知機能への効果を扱いません。あくまで「見にくくなった本を、別の形で楽しむ方法」の話です。
始める前に決める2つのこと
1つめは、誰のアカウントで始めるかです。親の楽しみのために使うなら、親本人のアカウントで登録するのが原則です。子どものアカウントを貸すと、ライブラリー(購入・聴き放題の本の一覧)がまざり、続きから聴く位置も混ざります。夫婦で共有したい場合は、別記事のAudibleの家族共有で仕組みを確認してください。
2つめは、聴く道具です。スマホ(アプリ)で聴くのか、スマートスピーカーで聴くのか。両方を最初から教えると混乱するので、まず1つに絞ります。目安は次のとおりです。
| 親御さんの状況 | 先に試す聴き方 |
|---|---|
| スマホは電話とLINEなら使える | スマホのアプリ |
| スマホの画面操作が負担 | Echoなどのスマートスピーカー |
| イヤホンが苦手 | スマートスピーカー(部屋のスピーカーで聴く) |
料金と無料体験は、設定の手順を見たあとの章で確認します。
スマホの文字を大きくするのが最初の一手
アプリを入れる前に、スマホ本体の文字サイズを上げておきます。老眼のご本人にとって、これだけで画面の見やすさが変わります。
iPhoneの場合、Appleの公式サポートでは次の手順が案内されています。
- 「設定」を開き、「画面表示と明るさ」を選ぶ
- 「文字サイズを変更」のスライダを動かして、見やすい大きさに合わせる
さらに大きくしたいときは、「設定」→「アクセシビリティ」→「画面表示とテキストサイズ」で「さらに大きな文字」をオンにして、表示されるスライダで調整します。ただし、大きくしすぎるとアプリ内のボタンが押しにくくなることがあると、Appleの案内にも書かれています。
Androidの場合、Googleの公式ヘルプでは、設定アプリの「フォントサイズ」でスライダを動かす方法が案内されています。ただし、項目の名称や位置、設定できる大きさは機種やOSのバージョンによって異なります。一部のアプリには反映されない点にも注意するよう書かれています(2026年10月14日時点で各公式ページを確認)。
文字サイズは、親御さんに画面を見てもらいながら決めてください。「大きいほどよい」とは限りません。1画面に入る情報が減り、かえって迷う人もいるからです。アプリの中の文字(本のタイトルなど)が、設定どおりの大きさで出ない場合もあります。そのときは、無理に直そうとせず、次に説明する「聴くだけの画面」に絞ります。
スマホで聴くとき、覚えるのは再生ボタンだけにする
アプリの操作は、最初は「再生」と「一時停止」だけで十分です。
アプリのつくりや表示は、更新で変わることがあります。Audibleのアプリの使い方全体はAudibleアプリの使い方完全ガイドで見られますが、高齢の方に最初から全部を教える必要はありません。
手伝う順番は、次のようにします。
- 親御さんのスマホにAudibleアプリを入れ、本人のアカウントでログインする(ここまでは子どもが画面を見ながら入力)
- 最初に聴く1冊を、子どもと一緒に選んでライブラリーに入れる
- 再生ボタンを押して、音が出ることをイヤホンまたはスマホのスピーカーで確認する
- アプリをスマホのホーム画面の分かりやすい位置に置く
- 「アプリを開く→再生ボタンを押す」を、親御さん自身に1回だけやってもらう
5が大事です。子どもが見せるだけで終わらせず、本人の指で1回やってもらうと、その場でつまずく箇所を確認できます。
途中で止めたいときの操作も1つだけ決めておきます。再生中に画面を触れば、一時停止のボタンが出ます。それ以外の機能(速度の変更、章の移動、ブックマークなど)は、使いたくなってから教えれば足ります。
スマートスピーカーなら、初期設定後は「声だけ」で聴ける
スマホの画面操作がつらい場合は、Echoなどのスマートスピーカーが向いています。
Audible公式ヘルプによると、Alexa搭載端末に「私の本を読んで」と話しかけると、最後に聴いていた本が流れます。一時停止、再開、次の章・前の章への移動、30秒戻す・30秒進める、といった操作も声でできます。「Audible」と言葉に含めると、Alexaの検索がAudibleのライブラリー内に絞られると案内されています(2026年10月14日時点・Audible公式で確認)。
Echoを使い始めるときの初期設定は、スマホのAlexaアプリなどで行います。ここは家族が手伝う部分です。設定が済めば、親御さんが覚える言葉は最小で次の1つになります。
「アレクサ、私の本を読んで」
スマホを持たずに、台所でも居間でも、声だけで続きから再開できます。スマホの文字が見えにくい日でも使えるのが利点です。
注意点もあります。公式ヘルプでは、Alexaで使えない機能として、ポッドキャストの再生、作品の単品購入、ブックマーク、評価・レビュー、再生履歴の確認などが挙げられています。購入や設定の変更はスマホかパソコンで行い、聴くのはEcho、という分担が現実的です。
呼びかけの言い方の一覧、止まるときの確認点はアレクサでオーディブルを聴く方法に詳しく書きました。離れて暮らす親御さんにEchoを贈るなら、呼びかけの言葉を大きな字でメモにして、Echoの近くに貼っておくと思い出しやすくなります。
聴く本は短い作品から選ぶと続けやすい
最初の1冊は、短くて、聞き慣れた物語が向いています。
長い作品から始めると、途中で聴く時間がとれなくなり、そのまま離れてしまうことがあるからです。短い作品を1つ聴き終える経験が、次に進むきっかけになります。
たとえば、太宰治の『走れメロス』は、ナレーター違いで複数の作品が配信されています。大塚明夫さんが朗読する『走れメロス』は、作品ページに「聴き放題」の対象と表示されています(2026年10月14日時点)。教科書で読んだことがある人なら、字を目で追わなくても筋を思い出しやすいでしょう。
もう少し長く聴きたい場合は、夏目漱石の『坊っちゃん』があります。相原麻理衣さんが朗読する『坊っちゃん』は、全編で約5時間半の作品です。ナレーターの違うバージョンがほかにもあるので、サンプル再生で声の聞き取りやすさを確かめてから選べます。
ここで挙げたのは、あくまで例です。作品ごとに、聴き放題の対象かどうかが違い、対象状況は変わることがあります。購入前に、作品ページの表示を確認してください。
声の好みは人によって違います。ナレーターの声が低めか高めか、読む速さはどうか。本人にサンプルを聴いてもらい、「この声ならずっと聴ける」と言った作品を選ぶのが確実です。
音量と速度は、聴き始めに一度だけ合わせる
聞こえにくさを感じる場合は、アプリ側よりも先に、スマホ本体かスピーカーの音量を調整します。
イヤホンが苦手な人は、スマホをテーブルに置いてスピーカーで聴くか、Echoなどの据え置きのスピーカーを使います。部屋が静かなほど、ナレーターの声は聞き取りやすくなります。
読む速さは、再生速度の設定で変えられます。ゆっくりめが聞き取りやすいと感じる人もいます。方法はAudibleの倍速設定ガイドにまとめましたが、最初は変えずに、等速のまま聴き始めてかまいません。
寝る前に聴くなら、時間がきたら自動で止まるタイマーが便利です。操作はスリープタイマーの設定ガイドで説明しています。アレクサの場合は、本が流れ始めたあとに声でタイマーをかけられます(公式ヘルプで確認)。
料金と無料体験は一度だけ確認する
オーディブルは月額制です。公式の会員プランのページでは、プレミアムプランが月額1,500円、スタンダードプランが月額880円と案内されています。新規の対象のお客様には、両プランとも30日間の無料体験があります(2026年10月14日時点・Audible公式で確認)。
無料体験が終わると、選んだプランの月額料金で自動更新されます。公式では「いつでも退会できる」とされていますが、更新日を過ぎると次の月の料金がかかります。親御さんの分を子どもが手続きする場合は、更新日をカレンダーに入れておくと安心です。
無料体験の対象かどうかは、人によって変わります。登録画面に表示された条件が基準です。登録の具体的な流れはAudible無料体験のやり方に、2つのプランの違いはAudibleの料金プランにまとめています。
体験後の月額は、選んだプランにより1,500円または880円です。
→ Audibleの無料体験の条件を確認する(終了後は月額1,500円で自動更新)![]()
家族が手伝うときに、やらないほうがいいこと
手伝う前に、本人に「聴いてみたいか」を聞いてください。無理に勧めて始めても、続ける理由が本人の中にありません。始めたら、1週間ほどあとに「どう? 続き聴けてる?」と軽く聞くと、使い方が分からなくなっていないかを早めに確かめられます。
やらないほうがいいことは2つです。1つは、操作を一度に全部教えたり、本人の代わりに画面を触り続けたりすること。覚える量が多いと定着せず、見ているだけでは本人が覚えられません。もう1つは、ログイン情報や支払い方法を子どもが管理したまま、本人に伝えないこと。何が起きたか分からなくなるうえ、トラブルのもとです。
パスワードやカード情報は、本人のものを預かっているという意識で扱ってください。メモを残す場合も、親御さん本人が分かる場所に置き、第三者が見られる場所には置かないようにします。
続かなかったとき、やめるときの手順
聴く読書は、人によって合う・合わないがあります。数日試して合わなければ、やめてかまいません。
無料体験の期間内であれば、終了日の前に退会の手続きをすれば、月額料金はかかりません(体験の条件は登録画面の表示が基準です)。手順はAudibleの解約方法で、画面ごとに説明しています。
やめるときに大事なのは、日付を先に決めておくことです。「無料体験の終了日の2日前に確認する」と、スマホのカレンダーに入れておけば、うっかり更新を防げます。
続けるかどうかを決めるのは、ご本人です。
まず今日やること
今日は、親御さん(またはご自身)のスマホで、文字サイズの設定だけ見直してください。そのあとで、最初の1冊を短い作品から選びます。
登録の条件や期間は、次のリンク先の画面で確認できます。体験後は選んだプランにより月額1,500円または880円です。
→ Audibleの無料体験の条件を確認する(終了後は月額1,500円で自動更新)![]()
関連記事
出典
- Audible 会員プラン|Audible公式(月額料金、無料体験、自動更新)
- Alexaで聴く|Audibleヘルプ(音声コマンド、Alexaで使えない機能)
- iPhoneの文字サイズを変更する|Appleサポート
- Androidのフォントサイズを変更する|Googleアクセシビリティヘルプ
- 走れメロス(大塚明夫)|Audible作品ページ
- 坊っちゃん(相原麻理衣)|Audible作品ページ
